冬の室温の適温は何℃?20度設定でも寒い真相と命を守る新常識
冬の室温の適温は何℃?20度設定でも寒い真相と命を守る新常識についての最新情報をお届けします。
室温の低下は、単なる寒気や不快感にとどまらず、人体に直接的な打撃を与えます。世界保健機関(WHO)が発表した『住まいと健康に関するガイドライン』では、WHO室内温度18度勧告の詳細まとめとして、寒い季節における室内温度を最低でも18℃以上に保つことを「強い勧告(Strong recommendation)」として位置づけています。
調査機関や医学界の発表によると、室温が16℃を下回ると呼吸器疾患への罹患率が上がり、12℃以下では血圧の急激な上昇や心血管疾患のリスクが跳ね上がることが判明しています。家全体をセントラルヒーティング等で均一に暖める欧米では冬の室内平均が18℃を優に超えるのに対し、人がいる部屋だけを暖める「局所暖房」が長年染み付いてきた日本の住宅では、実に90%以上の世帯で冬の平均室温が18℃を下回っているという衝撃的な実態調査が報告されています。
この室内寒冷環境が引き起こす最悪の悲劇が、高齢者のヒートショック予防と安全な室温の問題です。暖房の効いたリビング(20℃)から、無暖房の脱衣所・浴室・トイレ(8〜10℃)へ移動した際、急激な温度差によって血管が激しく収縮・拡張を繰り返し、心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。日本国内で入浴中に命を落とす高齢者の数は年間約1万数千人とも推計され、その大半が冬場の急激な温度差に起因しています。脱衣所や廊下に小型ヒーターを設置し、家全体の温度差を3℃〜5℃以内に抑える設計が欠かせません。
一方で、身体が未発達な赤ちゃんがいる部屋の冬の適温にも特別な配慮が求められます。乳幼児は体温調節機能が未成熟で、外部の気温変化に体温が直結しやすい特徴があります。新生児や乳児の居室では、室温20℃〜22℃、湿度50〜60%をキープするのが小児科医や育児指針で推奨される安全圏です。寒さを心配して厚着をさせすぎたり重い布団を何枚も掛けたりすると、体内に熱がこもる「うつ熱」や乳幼児突然死症候群(SIDS)の要因にもなりかねません。部屋そのものを適切な温度に保ち、衣服は身軽な重ね着で調整するのが鉄則です。