愛猫のお腹の張りは肥満か病気か?猫の腹水見分け方と危険なサイン

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インターネット上の誤った情報や飼い主同士の思い込みの中で、最も是正しなければならないのが「お腹が苦しそうだから、注射器で腹水を全部抜いてもらえば元気になる」という短絡的な認識です。現実には、猫の腹水を抜くリスクと費用には極めてシビアな医学的判断が介在します。

腹水の中には、猫の生命維持に必要なアルブミン(タンパク質)、電解質、グロブリンが大量に含まれています。これらを一度に過剰抜去してしまうと、循環血液量が急激に減少し、重度の低血圧性ショックを引き起こす危険性があります。さらに、血管内の浸透圧が一段と低下するため、抜いた直後から以前を上回るスピードで水分が血管から漏れ出し、かえって状態を悪化させる悪循環に陥ることも珍しくありません。

したがって、現在の小動物臨床における腹水穿刺は、「確定診断のための性状検査に必要な少量(数ミリリットル〜十数ミリリットル程度)を採取する」か、あるいは「横隔膜が激しく圧迫され、窒息寸前となっている緊急避難措置」として限定的に行われます。根本的な原因疾患を治療しない限り、水を抜く行為単体では何の解決にもならないという事実を認識しなければなりません。

もう一つの重大な盲点が、猫の腹水と呼吸困難の緊急サインです。腹水が腹腔を圧迫し続けると、腹部と胸部を隔てる横隔膜が前方に押し上げられ、肺が十分に拡張できなくなります。猫が横臥できずに前肢を突っ張って座り込む「伏せの姿勢(スフィンクス座り)」を崩さない、口を開けて犬のようにハァハァと息をする(開口呼吸)、舌や歯茎が紫色や白っぽく変色している(チアノーゼ)といった症状は、数時間以内に呼吸停止に陥る恐れがある超緊急事態です。

渡辺 美咲

渡辺 美咲

ガジェット&アプライアンスライター

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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