猫の肝臓の数値が高い原因とは?Alt・Alp異常値と命を守る治療法
猫の肝臓の数値が高い原因とは?Alt・Alp異常値と命を守る治療法に関する基本知識をわかりやすくまとめました。詳細を読もうことができます。
動物病院の診察室では、飼い主の感情と過酷な医学的事実が激しく交錯します。特に「肝リピドーシス」と告げられた家族が直面するのは、過酷な看護と予後への恐怖です。
実際に都内の高度動物医療センターで治療を受けた愛猫の手記には、次のような生々しい記録が残されています。
「引っ越しを機に3日間ほぼご飯を食べなくなり、病院へ駆け込んだときにはすでに肝数値が計測不能で重度の黄疸でした。『このままでは1週間の余命も持たない。今すぐ首に穴を開けてカテーテル(食道瘻チューブ)を通す必要があります』と言われ、身体を傷つけることに絶望的な葛藤を覚えました。しかし、決断して強制給餌を続けた結果、2ヶ月後にALTは正常化し、自力でドライフードを食べるまでに回復しました」(5歳・アメリカンショートヘア飼い主の手記より)
この記録が示す通り、猫の脂肪肝の治療と余命は「いかに迅速に強制栄養へ踏み切れるか」にかかっています。猫は飢餓状態に陥ると、体脂肪を急速に分解して肝臓へ脂質を送り込みますが、アポタンパク質の合成が追いつかず、肝細胞内に中性脂肪が病的に蓄積します。一度このサイクルに陥ると、自発的に食べるのを待っていては数日から2週間前後で肝不全死に至ります。しかし、食道瘻(Eチューブ)や胃瘻チューブを設置し、必要カロリーとタンパク質を計画的に投与し続ければ、80%以上の確率で肝組織は劇的に再生します。
一方、猫の胆管肝炎の治る確率については、その病態型によって明暗が分かれます。細菌感染が主因である「急性好中球性胆管肝炎」の場合、適切な抗生剤の感受性試験と早期投与、利胆薬の併用により70〜80%程度は完全治癒または寛解が望めます。対照的に、自己免疫学的機序が疑われる「慢性リンパ球性胆管肝炎」では、ステロイド等の免疫抑制療法を長期にわたり継続する必要があり、寛解と再燃を繰り返すケースが半数近くを占めるのが臨床の実態です。