ぬか床の水抜きで水分を捨てるな!旨味を守る調整法と失敗しない復活術
ぬか床の水抜きで水分を捨てるな!旨味を守る調整法と失敗しない復活術の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。
水分を捨てるのが悪手だからといって、タプタプに緩んだぬか床をそのまま放置するのは極めて危険です。適切な水分調整を行わない場合、ぬか床は短期間で以下の3つの危機に直面します。
第1の危機は、「全体の塩分濃度の急激な低下」です。野菜から大量の水分が加わると、ぬか床全体の体積が増加し、相対的に塩分濃度が8%以下まで薄まるケースが珍しくありません。塩分濃度が低下したぬか床は防腐能力を失い、普段は塩分によって活動を抑えられている腐敗菌や雑菌が一気に勢力を拡大します。
第2の危機は、「酸素不足による酪酸菌の暴走と異臭の発生」です。ぬか床がペースト状から泥水のようなドロドロ状態になると、空気(酸素)が内部まで届かなくなります。すると、ぬか床の底に潜む偏性嫌気性菌である「酪酸菌」が異常繁殖を起こします。酪酸菌自体は微量であればぬか漬け特有の風味に寄与しますが、過剰に増えると「蒸れた靴下」や「古くなったチーズ」のような強烈な悪臭を放ち、手でかき混ぜるだけでも強い抵抗感を覚えるほどになります。
第3の危機は、「産膜酵母による白い膜とセメダイン臭の発生」です。水分過多で発酵バランスが狂うと、好気性の酵母菌である産膜酵母が表面に異常増殖し、真っ白なカビのような膜を張ります。さらに発酵が進みすぎるとエステル化反応により、ツンとしたセメダイン臭(シンナー臭)が発生し、野菜に不快な苦味や刺激臭が移って食用に適さなくなります。
理想的なぬか床の固さは、昔から職人の間で「味噌より少し柔らかく、耳たぶほどの弾力」と形容されます。手で握ったときに指の隙間から水が滴り落ちる状態であれば、それはすでに警戒水域です。直ちに適切な対処を講じなければなりません。