群青色とはどんな色?藍色・紺色との違いやカラーコードを徹底解説

群青色とはどんな色?藍色・紺色との違いやカラーコードを徹底解説について専門的な視点から解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

ネット上の色彩解説において、最も混同されがちなのが「群青色=ウルトラマリンブルー=ラピスラズリ」という短絡的な同一視です。近代以降の英語対訳としてはウルトラマリンと訳されますが、美術史と顔料工学の現場に足を踏み入れると、そこには東西の決定的な断絶と融合のドラマが存在します。

西洋絵画において「奇跡の青」「聖母マリアのマントの色」と崇められたウルトラマリンブルーは、アフガニスタンを主産地とする貴石「ラピスラズリ(和名:瑠璃)」を原料としていました。海を越えて(Ultra-marine)ヨーロッパへ運ばれたため、純金以上の高値で取引されていた歴史があります。オランダの画家フェルメールが借金を重ねてまで画面に塗りたくった「フェルメール・ブルー」の正体もこれにあたります。

一方、日本や中国の仏教美術において青の主役を担ったのは、ラピスラズリではなく藍銅鉱(アズライト)でした。古代の日本列島ではラピスラズリの産出が皆無に等しかったのに対し、藍銅鉱は国内の銅鉱山(秋田の阿仁鉱山や兵庫の多田銀銅山など)から僅かながら高品質な結晶が採掘できたためです。

ところが19世紀前半、フランスの化学者ギメらによって、カオリンや硫黄、炭酸ナトリウムを焼成する「合成ウルトラマリン」の大量生産技術が確立されました。明治維新を迎えた日本には、この安価で均一な人工青色顔料が「洋群青」として大量に輸入されます。当時、天然の藍銅鉱から作る岩絵の具が途方もなく高価だったため、日本の印刷現場や絵具メーカーはこの合成ウルトラマリンを「群青」の訳語とともに普及させました。私たちが小学校の図工で手にするチューブ入りの「ぐんじょう」は、この西洋発祥の合成ウルトラマリンの流れを汲む製品です。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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