カヤックとカヌーの決定的な違いとは?パドル・構造と初心者の選び方

カヤックとカヌーの決定的な違いとは?パドル・構造と初心者の選び方の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でご紹介しています。

水上における最大のリスクは転覆(沈)です。カヤックとカヌーでは、舟がひっくり返った際の挙動と安全確保の手順に大きな隔たりがあります。

伝統的なクローズドデッキのカヤックの場合、転覆すると下半身が艇内に残された状態になります。そのため、スプレースカート(浸水防止カバー)を外して速やかに水中へ脱出する転覆時の安全性と沈脱(ウェットアウト)のトレーニングが必須とされてきました。上級者は体を反転させて自力で起き上がる「エスキモーロール」を習得しますが、初心者がいきなりこなせる技術ではありません。そのため、現在の体験ツアーやシーカヤックの入門艇では、万が一ひっくり返っても体が拘束されず、水面へ投げ出されるだけで自力再乗艇が可能な「シットオントップ型」が標準仕様となっています。

対するオープンデッキのカナディアンカヌーは、高い安定性を持つ反面、限界を超えて傾くと船縁(ガンネル)から一気に大量の水が流れ込みます。浸水したカヌーは水面下で重い浮遊物と化し、水上で乗ったまま排水することは極めて困難です。そのため、カヌーの基本安全思想は「転覆からの復帰」ではなく、「絶対に波を立てず、限界傾斜を超えない静水平水域で航行する」という予防原則に徹しています。どちらの舟に乗る場合でも、適切な浮力体を備えたライフジャケットの常時着用が不可欠であることは言うまでもありません。

山崎 陸

山崎 陸

ガジェット&アプライアンスライター

最新のテクノロジーと生活デザインの融合をテーマに、国内外の最新トピックを発信しています。

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