リグレーフィールドのツタの真実|消えるボールと特別ルールの罠
リグレーフィールドのツタの真実|消えるボールと特別ルールの罠を徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを凝縮して配信します。
野球規則において、通常フェンスに当たった打球はインプレーであり、外野手は即座に返球しなければなりません。しかし、草木が生い茂るリグレー・フィールドの外野フェンスには、MLB公式規則でも極めて珍しい球場固有のグラウンド・ルール(特別規定)が定められています。
もし外野深くへ飛んだ鋭い打球がツタの深い茂みへと吸い込まれ、ボールが消える現象が起きた場合、外野手には絶対に守らなければならない鉄則が存在します。それは、「決してツタに手を入れて探さず、即座に両腕を頭上に高く掲げて審判にアピールする」というアクションです。
守備側が即座にボールを見失った旨を両手で示すと、審判団はタイムを宣告して現場を確認。打球が植物に挟まって取り出せない状態であると認定されれば、審判の裁定によってエンタイトルツーベース(自動二塁打)となり、走者は2個の進塁にとどめられます。
一方で、もし外野手が焦ってツタをかき分け、指先でボールを探す素振りを見せてしまうと、審判は「ボールの位置を認識したままインプレーを継続している」と判断します。その瞬間に特別ルールの権利は消失。ツタから球がポロリとこぼれ落ちたり、取り出すのに手間取っている間に、俊足の打者走者は悠々とダイヤモンドを一周してランニングホームランを許すことになります。
日本人外野手として右翼の守備に就く鈴木誠也も、春先のキャンプや本拠地開幕のミーティングでこの鉄則を叩き込まれています。ツタの葉が茂る夏季にはクッションの弾みが日ごとに変わり、ボールが完全に葉の奥へ隠れてしまうケースが頻発するため、外野手にとっては「追うべきか、両手を挙げてプレーを止めるべきか」のコンマ数秒の決断が常に試されているのです。