目が飛び出る病気の正体は?眼球突出の原因と受診科の目安を解説
目が飛び出る病気の正体は?眼球突出の原因と受診科の目安を解説の詳細について、専門知識を取りまとめてご紹介します。
眼球が収まっている頭蓋骨のくぼみを「眼窩(がんか)」と呼びます。眼窩は骨に囲まれた頑丈な空洞であり、内部には眼球のほかに外眼筋(目を動かす筋肉)、視神経、脂肪組織、血管が隙間なく詰まっています。この密閉空間の中で何らかの組織が容積を増せば、逃げ場を失った眼球は前方に押し出されるしかありません。これが眼球突出の基本的な発症メカニズムです。
眼球突出を引き起こす代表的な疾患は、大きく分けて以下の3つに集約されます。
第一に挙げられるのが、圧倒的多数を占める「甲状腺眼症(バセドウ病眼症)」です。甲状腺を過剰に刺激する自己抗体(TSH受容体抗体など)が、なぜか眼窩内の脂肪細胞や外眼筋にも反応し、慢性的な炎症を引き起こします。その結果、筋肉や脂肪が異常に腫れ上がり、眼球を内側から力任せに押し出してしまうのです。
第二の原因は「眼窩腫瘍(がんかしゅよう)」です。眼窩の内部に良性または悪性の腫瘍が発生すると、腫瘍そのものの体積によって眼球が偏位・突出します。成人の良性腫瘍では海綿状血管腫や神経鞘腫、悪性では悪性リンパ腫が多く見られます。痛みを伴わずに年単位でじわじわと目が飛び出てくる場合、真っ先に疑うべき病態です。
第三が、「感染症や血管病変」による急性・亜急性の突出です。副鼻腔炎(蓄膿症)が悪化して骨の壁を破り、眼窩内に細菌感染が及ぶ「眼窩蜂窩織炎(ほうかしきえん)」では、激しい目の痛みと発赤、発熱とともに急速な眼球突出が起こります。また、頭部外傷などを契機に動脈と静脈が異常吻合する「頸動脈海綿静脈洞瘻(CCF)」では、拍動を伴う眼球突出や結膜の激しい充血が生じます。