笠原十九司の現在と経歴|南京事件論争の真相と激しい批判の背景を検証
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笠原氏の名前が司法の場でも大きくクローズアップされた出来事が、いわゆる「夏淑琴(か・しゅくきん)裁判」です。この裁判は、歴史認識の対立が個人の名誉毀損という法廷闘争へと発展した象徴的な事例として知られています。
事件の発端は、否定派の研究者である東中野修道氏(当時・亜細亜大学教授)らが著書『南京虐殺の徹底検証』(展転社)において、南京事件の被害者として証言を行っていた夏淑琴さんを「ニセ被害者」「証言は嘘」と名指しで記述したことでした。これに対し、夏淑琴さんは名誉を傷つけられたとして、著書の発行停止と損害賠償を求めて日本の裁判所に提訴しました。
笠原氏は、夏淑琴さんの証言の真正性を裏付ける調査を行い、裁判支援の先頭に立ちました。マギー牧師が撮影した当時の記録フィルムや国際安全区関係者の日誌と夏さんの証言を照合し、彼女が現場にいた本人であることを歴史学的手法で証拠立てたのです。
裁判は2009年2月、最高裁判所が東中野氏と展転社側の上告を棄却し、名誉毀損を認めて計400万円の損害賠償を命じた高裁判決が確定しました。判決文では、東中野氏側の記述について「学術研究の成果とは認められない粗雑なもの」と指弾され、歴史修正主義に対する司法の明確な判断が示された瞬間となりました。この勝訴は笠原氏の研究者としての信頼性を強固にした一方、否定派論客や保守陣営との対立をさらに決定的なものにしました。