昔の戸籍が読めない?明治大正の除籍謄本を自力解読する極意とAi活用法

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明治・大正期の戸籍を初めて手にした人が誰しも抱くのが、「公文書なのに、なぜこれほどまでに判読困難なのか」という疑問だ。法務関係者や自治体窓口の取材を進めると、そこには歴史的・制度的な複数の要因が複雑に絡み合っている実態が浮かび上がる。

最大の要因は、明治19年(1886年)式、明治31年(1898年)式、大正4年(1915年)式と呼ばれる古い様式の戸籍が、すべて役場職員の手書き(毛筆筆写)で記録されていた点にある。当時は現代のような統一フォントやワープロなどは存在せず、記録を担当した個々の書記の筆癖がそのまま公文書に残された。達筆すぎて流れるような「くずし字」になっているものもあれば、誤字脱字を上から塗りつぶした乱雑な記録も少なくない。さらに、長年の保管による紙の酸化、インクや墨のかすれ、裏写り、戦火や水害を免れた際の汚損が、視認性を一層悪化させている。

もう一つの大きな壁が、言語体系の断絶だ。明治期の戸籍には、ひとつの音に対して複数の漢字を当てはめて崩した「変体仮名(へんたいがな)」が頻繁に用いられている。例えば、女性の名前に多い「ゑ(え)」「志(し)」「者(は)」「登(と)」などは、現代のひらがな感覚で見つめていても絶対に読めない。これに加えて「廣(広)」「國(国)」「壽(寿)」といった旧字体や、役所独自の略字・異体字が混在しているため、現代人にとって「暗号文書」同然に見えてしまうのは当然の現象といえる。

中川 明日香

中川 明日香

ビジネス戦略アナリスト

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。

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