上顎のプチっとしたものは何?痛くないできものや水疱の正体と見分け方

上顎のプチっとしたものは何?痛くないできものや水疱の正体と見分け方について押さえておきたい ポイントを分かりやすく解説いたします。

上顎(硬口蓋から軟口蓋にかけてのエリア)に突如現れる突起物は、その色調、硬さ、痛みの有無によって正体が大きく分かれます。臨床現場で頻繁に確認される代表的な原因を整理します。

まず、触れた瞬間に強い痛みやしみる感覚がある場合、最も疑われるのは物理的な熱傷や機械的刺激による急性病変です。熱いピザやスープによる火傷、煎餅やフランスパンなどの硬い食材で粘膜を擦過した直後には、粘膜上皮が浮き上がり、内部に組織液が溜まることで上顎の水疱やプチプチした腫れの原因となります。また、噛み合わせの摩擦やくしゃみなどの急激な圧変動によって粘膜下の毛細血管が破綻すると、暗赤色に盛り上がる「孤立性血腫(アンギーナ・ブラサ・へモラジカ:ABH)」が急速に形成されることも珍しくありません。

一方で注意を要するのが、上顎のできもので痛くないケースです。痛みがない突起は、大きく分けて「液体を含んだ軟らかい袋状のもの」「骨の出っ張り」「組織が増殖したしこり」の3パターンが存在します。

上顎の粘膜下には無数の「小唾液腺」が存在しています。この唾液を分泌する微細な管が噛み傷や微小な炎症で傷つき、唾液が粘膜下に漏れ出して袋状に溜まった病変が口の中の粘液嚢胞です。下唇に好発することで知られますが、上顎の口蓋腺にも発生します。弾力性があり、青白い半透明のプチっとした水ぶくれ状を呈するのが特徴です。

さらに、硬口蓋の中央部(正中)に触れる、骨のようにカチカチとした突起は「口蓋隆起」と呼ばれる骨の良性増殖であるケースが典型です。病的なものではなく加齢や噛み締め癖に伴って緩徐に発現しますが、初めて自覚した際に「腫瘍ができた」と慌てて来院する患者が後を絶ちません。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。

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