幕張を駆け抜けた超速の韋駄天がスパイクを脱ぐ日。千葉ロッテ・荻野貴司の「絶望と栄光」が交錯した17年間の軌跡
幕張を駆け抜けた超速の韋駄天がスパイクを脱ぐ日。千葉ロッテ・荻野貴司の「絶望と栄光」が交錯した17年間の軌跡の注目されている理由をコンパクトにまとめました。全体像を一目で把握できます。
2010年春。NPBのグラウンドに彗星のごとく現れたルーキーの走りは、プロ野球界の常識を覆すほどの衝撃だった。開幕からわずか46試合で25盗塁という驚異的なペース。出塁すれば必ず次の塁を盗み、浅い外野フライでも迷わず本塁へ陥れる。相手捕手の強肩をものともせず、グラウンドの上を滑るように駆け抜けるその姿は、一瞬でファンの心を掴んだ。
しかし、神様は彼にあまりにも過酷な試練を与えた。圧倒的なスピードと引き換えにするかのように、右膝の軟骨損傷や度重なる太もも裏の肉離れが彼の体を襲う。幾度となく戦線離脱を余儀なくされ、怪我との戦いは彼のアスリート人生において永遠の影のように付きまとった。「もし彼が年間通して無傷だったら——」ファンも報道陣も、何度その言葉を飲み込んだか分からない。