葛飾北斎の遺産「岩松 院」に何が?拝観論争と噂の真相を追う
葛飾北斎の遺産「岩松 院」に何が?拝観論争と噂の真相を追うについての真相をご紹介します。
問題の背景を理解するには、これまでの経緯解説が欠かせない。岩松 院の「八方睨み鳳凰図」は、北斎が80歳を超えて小布施に滞在した際、約1年を費やして完成させたと伝わる晩年の集大成である。顔料には金箔や高価な鉱物性絵具がふんだんに使われており、一度傷めば修復は容易ではない。
寺院側は長年、一般公開を続けながら地域の観光振興に大きく寄与してきた。しかし、近年の観光客の急増によって、人の呼吸に含まれる水分や二酸化炭素、外気の吹き込みによる顔料の劣化が顕著化。文化庁や保存修復の専門家を交えた協議が水面下で続けられていた矢先に、マナー違反トラブルが重なり、長年くすぶっていた「保存か公開か」というジレンマが一気に表面化した形だ。