なぜ水金地火木土天海冥から冥王星は消えた?除外の真相と現在の覚え方
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昭和から平成初期に義務教育を受けた世代の中には、「水金地火木土天冥海(すいきんちかもくどってんめいかい)」という並びで習った記憶を持つ人が多い。この記憶は決して勘違いではない。実際に1979年から1999年までの約20年間、冥王星は海王星の内側に入り込んでいたため、太陽から近い順に数えると海王星と冥王星の順番が逆転していたのだ。
多くの惑星は太陽の周りをほぼ正円に近い軌道で、かつ同一平面(黄道面)上を整然と公転している。ところが冥王星の軌道は極端に歪んだ楕円形を描いており、黄道面に対しても約17度という大きな傾き(軌道傾斜角)を持っている。この極端な軌道特性ゆえに、太陽に最も近づく近日点付近では、第8惑星である海王星の軌道よりも太陽に近接する現象が発生した。
「軌道が交差しているなら、いつか海王星と冥王星は正面衝突するのではないか」という不安の声が当時一般メディアでも取り沙汰された。しかし、天体力学の視点から見れば衝突のリスクは皆無だった。冥王星と海王星は、海王星が太陽を3周する間に冥王星がちょうど2周するという「3対2の軌道共鳴」と呼ばれる精密な振り子の関係を保っている。さらに軌道面が大きく傾いているため、宇宙空間の立体的な三次元空間で見れば、両者が最接近した瞬間でも約26億キロメートル以上も離れている。
1999年2月11日、冥王星は再び海王星の軌道の外側へと抜け出し、公転順序は元の「海→冥」へと戻った。そしてそのわずか7年後、2006年の惑星除外によって、太陽系の惑星の並び順論争そのものが恒久的な決着を見ることとなった。