なぜポンキッキーズで大ヒット?斉藤和義『歩いて帰ろう』の真相
なぜポンキッキーズで大ヒット?斉藤和義『歩いて帰ろう』の真相とは一体何なのか? 詳しい意味を整理してお届けします。
楽曲が世に出た発売年は1994年6月1日。斉藤和義にとって通算4作目のシングルでした。当時の彼は、1993年のデビュー直後で音楽ファンや業界関係者の間では高い評価を受けていたものの、全国的な知名度はまだ発展途上にありました。そんな新進気鋭のシンガーソングライターに白羽の矢を立てたのが、前年の1993年秋に『ひらけ!ポンキッキ』から劇的なフルモデルチェンジを遂げた『ポンキッキーズ』の制作チームでした。
当時、番組ディレクターやプロデューサー陣が掲げていた方針は「子供だましを一切排除し、大人の鑑賞にも耐えうる最先端のカルチャーを発信する」という過激なものでした。従来の幼児番組にあった「お姉さんが手拍子で歌う童謡」のフォーマットを解体し、ストリートカルチャーやオルタナティブロック、渋谷系サウンドを平然と朝の幼児番組に持ち込む実験が試みられていたのです。
番組制作関係者の回想録や当時の音楽誌インタビューによると、起用の決定打となったのは、斉藤和義が持っていた「どこか不器用で、嘘のないストリートの佇まい」でした。タイアップありきの予定調和を嫌ったスタッフが、ジャクソン5の『アイ・ウォント・ユー・バック』を彷彿とさせる弾むようなリズムと、斉藤の飾らない歌声のデモテープを聴いた瞬間、満場一致でオープニング曲への採用が決まったと記録されています。単なるタイアップ企画ではなく、クリエイター同士の先鋭的な共鳴から生まれた必然のコラボレーションだったと言えます。