1匹2億円の狂騒曲から10年——チベット高原を揺るがす「幻の超大型犬」の光と影【2026年現地ルポ】
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こうした現状に対し、地元のチベット仏教寺院や環境NGOが立ち上がった。殺生を忌み嫌う仏教精神から、寺院の敷地内に簡易的な保護施設(シェルター)を設立し、数百匹単位で収容・給餌を行う試みが続けられている。
しかし、給餌費用と去勢手術のコストは膨大だ。1日に必要とされる肉や穀物の量は凄まじく、寄付金だけに頼る運営は限界を迎えている。「毎日トンの単位で食料が必要になる。愛護の情念だけでは冬を越せない」と現場の僧侶は吐露する。不完全な去勢管理により、施設内や周辺での無秩序な繁殖も完全には防ぎきれていないのが実情だ。