水曜どうでしょう藤村忠寿の現在地、テレビの枠を壊す新たな企み
水曜どうでしょう藤村忠寿の現在地、テレビの枠を壊す新たな企みの全体像を丁寧に掘り下げてご紹介します。
1996年に産声を上げた『水曜どうでしょう』が日本のテレビ放送業界に与えた衝撃は、どれほど強調してもし過ぎることはない。低予算、少人数、行き当たりばったり。当時、東京のキー局が巨額の制作費を投じて作り込んでいたきらびやかなバラエティ番組の潮流に対し、藤村が仕掛けたのは「徹底的な無駄とトラブルの可視化」だった。
サイコロの出目で行き先を決め、深夜バスで体を痛めつけ、宿の部屋でただ愚痴を言い合う。編集室で何日も徹夜を重ねて生み出された独特のテロップワークと小気味よいテンポ感は、演者の魅力を極限まで引き出した。ディレクター自らが第3の演者として介入するスタイルは、現在ではYouTubeをはじめとするネット動画の基本フォーマットとなっているが、その原点はすべて藤村が編集機の前で切り拓いた地平にある。