男はつらいよ歴代マドンナの深層!車寅次郎が惚れた昭和の女優録
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主演の渥美清は、私生活を一切明かさない徹底した秘密主義者として知られていた。撮影所でも自らを厳しく律し、ゲストであるマドンナ女優に対しては常に紳士的でありながら、適度な距離を保ち続けた。馴れ合いを排することで、役の上での「寅次郎の一目惚れ」の瑞々しさを保つためだった。
本番が始まると、渥美の口からは台本にない絶妙な間合いと生きたセリフが次々と飛び出した。それに即座に呼応できるかどうかが、歴代マドンナたちに課された過酷な試練でもあった。リリー役の浅丘ルリ子は後年、渥美との掛け合いを「真剣勝負のジャズセッションのようだった」と述懐している。完璧なリハーサルの上に成り立った奇跡のようなアドリブこそが、この喜劇を芸術の域へと押し上げたのである。