断絶か共存か?本家と分家の権力構造に潜む「相続」の不都合な真実
断絶か共存か?本家と分家の権力構造に潜む「相続」の不都合な真実について知っておくべき ポイントを分かりやすい構成で解説いたします。
現実の社会に目を転じれば、本家制度の残滓は実利的な大問題として表面化している。全国各地で深刻化する「所有者不明土地」問題だ。明治・大正期に設定された本家名義の土地が、遺産分割されないまま数世代にわたって放置され、相続人が数十人から百人以上に膨れ上がって身動きが取れなくなるケースが頻発している。
相続登記の義務化をはじめとする法改正により、これまでは「本家が管理しているから大丈夫」と曖昧に済まされてきた不動産の権利関係に、強制的にメスが入ることとなった。登記を怠れば過料が科される時代になり、本家側は重い固定資産税や管理責任に悲鳴を上げている。
墓じまいや寺離れの加速も、この傾向に拍車をかける。先祖代々の墓を守る義務を一身に背負わされてきた本家が、維持費の捻出に耐えかねて墓を畳もうとすると、遠方に住む分家から「先祖をないがしろにするのか」と理不尽な非難を浴びる。権利は平等、義務は本家任せという構造的矛盾が、ついに限界を迎えている。