爪周囲炎の市販薬おすすめ比較!ズキズキ痛む腫れに効く軟膏の選び方

爪周囲炎の市販薬おすすめ比較!ズキズキ痛む腫れに効く軟膏の選び方に関する主要なデータを丁寧に解説いたします。

爪周囲炎の治療に関して、インターネットのQ&AサイトやSNSでは古くから多くの誤解が流通している。その代表格が「オロナイン万能説」と「ゲンタシン最強説」だ。

「爪周囲炎にオロナインが効く」という言説の医学的真偽

「爪の横が痛くなったらオロナインをたっぷり塗って絆創膏を貼れば治る」という民間療法は広く知られているが、これには大きな落とし穴がある。オロナインH軟膏の主成分であるクロルヘキシジングルコン酸塩は、手指や創傷面の「表面殺菌・消毒」に優れた成分だ。したがって、ささくれが剥けた直後や、傷口を作ってすぐの雑菌侵入を防ぐ「予防段階」においては一定の意義を持つ。

しかし、すでに皮下組織内に細菌が侵入・増殖し、赤く腫れて痛みが出ている本格的な爪周囲炎の段階では、消毒薬の浸透力と抗菌力だけでは内部の病巣を制圧できない。それどころか、油分の多い軟膏を厚塗りして密閉することで患部が浸軟(ふやけること)し、嫌気性菌を含む細菌にとって好都合な増殖環境を作ってしまう危険性すらある。初期の化膿止めを求めるのであれば、消毒薬ではなく細菌の増殖プロセスを直接断つ抗生物質軟膏を選択するのが医学的な王道だ。

医療用で有名な「ゲンタシン軟膏」がドラッグストアで手に入らない理由

皮膚科や外科で爪周囲炎と診断された際、頻繁に処方されるのがアミノグリコシド系抗生物質である「ゲンタシン軟膏(一般名:ゲンタマイシン硫酸塩)」だ。ネット上では「薬局でゲンタシンと同じものを買いたい」という声が頻繁に見受けられるが、結論から言えば、ゲンタシン軟膏および同等の単剤製品は日本の市販(OTC医薬品)としては一切販売されていない。

これには厚生労働省による厳格な医薬品承認基準と、世界的な抗菌薬適正使用(AMR:薬剤耐性菌対策)の要請が深く関係している。アミノグリコシド系抗生物質を安易にOTC化して一般消費者が漫然と連用すると、緑膿菌やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)といった難治性の耐性菌を生み出す温床となりかねない。そのため、ゲンタシン軟膏は「医師の処方箋が必要な医療用医薬品」に限定されており、市販薬としてドラッグストアの棚に並ぶことは現行法規上あり得ないのだ。

市販の「飲み薬(抗生剤)」は存在しないという冷徹な事実

「塗るだけでは治らないから、市販の抗生物質の錠剤を飲みたい」と考える人も多い。しかし、日本国内において経口抗生物質(内服抗生剤)の市販薬は1種類も存在しない。薬機法上、経口の抗菌薬はすべて医師の診察と処方が義務付けられた処方箋医薬品に指定されているからだ。

薬局で「化膿止め・排膿」を謳って販売されている錠剤や顆粒剤の正体は、抗生物質ではなく「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」をはじめとする漢方薬や生薬製剤である。排膿散及湯は、キジツ、シャクヤク、タイソウ、ショウキョウ、カンゾウ、キキョウの6種類の生薬から成り、局所の血流を促して炎症を和らげ、排膿を後押しする効果が認められている。抗生物質のような直接的な殺菌力はないものの、抗生物質軟膏の外用と併用することで、自身の免疫力をサポートする補助的な選択肢としては実用価値がある。

高橋 健太

高橋 健太

ライフスタイル編集者

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。

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