ロースかヒレか迷う夜に。プロが暴く肉質と脂の決定的な境界線

ロースかヒレか迷う夜に。プロが暴く肉質と脂の決定的な境界線の重要ポイントをお届けします。最新トレンドが詰まっています。

とんかつの本質を理解するには、まず解剖学的なアプローチが欠かせない。農林水産省が定める公正競争規約に基づく「食肉小売品質基準」において、ロースとヒレ(フィレ)は明確に区別されている。

ロースは豚の胸部から腰部にかけての背中側の筋肉(胸最長筋など)を指す。赤身の外側に適度な脂肪の層(背脂肪)をまとい、赤身の中にも微細なサシが入り込みやすいのが特徴だ。日本食肉格付協会による豚肉の部分肉取引規格でも、歩留まりと肉質のバランスに優れた主力部位として位置づけられている。加熱すると外側の脂身がじゅわっと溶け出し、衣の中で赤身と一体化して濃厚なコクを生み出す。

対するヒレは、背骨の内側に沿って左右に1本ずつしか存在しない極めて希少な部位(大腰筋)である。豚1頭(生体重約115kg〜120kg)から取れるヒレ肉の割合は、わずか2〜3%程度。運動量が極端に少ない筋肉であるため、筋繊維が非常に細かく、腱や結合組織がほとんど存在しない。これが、歯を当てた瞬間にホロリと崩れるような圧倒的な柔らかさの物理的な正体だ。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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