なぜ閻魔大王は愛される?『ギャグマンガ日和』地獄の喜劇と裏設定
なぜ閻魔大王は愛される?『ギャグマンガ日和』地獄の喜劇と裏設定についての最新情報をお届けします。
そもそも、なぜ閻魔大王がここまで情けないキャラクターとして造形されたのか。仏教説話や民間伝承において、閻魔は「浄玻璃の鏡」で死者の生前の行いをすべて見通し、嘘をつけば舌を抜く恐るべき裁判官である。だが、増田こうすけの手にかかると、その万能の鏡すら「都合の悪い真実を隠すための小道具」へと成り下がる。
作中で描かれる地獄のシステムには、現代の官僚制や縦社会への痛烈な風刺が潜んでいる。部下の鬼たちは上司である閻魔を毛嫌いし、冷淡な視線を投げかけ、時にはストライキ紛いの態度を取る。絶対君主でありながら中間管理職の哀哀たる悲哀を背負わされている点に、大人の読者ほど共感と失笑を禁じ得ない裏の構図がある。神話の厳粛さを日常のくだらなさで塗り替える手法こそ、本作が誇るシュールコメディの神髄だ。