ボカロ名曲『神のまにまに』解き明かされる神話の真相と楽曲の深層

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楽曲のモチーフとなっているのは、日本最古の歴史書『古事記』に記された「天の岩戸(あまのいわと)」の神話である。太陽神である天照大神が弟の素戔嗚尊(すさのおのみこと)の暴虐に呆れ、岩戸の奥へと隠れてしまったことで、世界は深い闇に包まれた。この暗黒の世界を再び照らしたのは、八百万(やおよろず)の神々が引き起こした「宴」と「笑い」だった。

一見すると伝統的な神話の再構築に思えるが、この楽曲の真骨頂は現代的な「隠された解釈」にある。岩戸に閉じこもる天照大神の姿は、傷つき、心を閉ざして社会や人との繋がりを遮断してしまった現代人のメタファーとして描かれている。神々が力づくで岩戸をこじ開けるのではなく、歌い踊り、楽しむことで主体の自発的な開放を促したように、楽曲全体が「他者との肯定的な繋がり」こそが暗闇を払う光になると伝えているのだ。「神のまにまに(神の御心のままに)」というタイトルが意味するのは、諦観ではなく「世界と自己を受け入れる覚悟」なのである。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。

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