「出生」の読み方はどっち?公的機関と医療現場の意外な使い分け
「出生」の読み方はどっち?公的機関と医療現場の意外な使い分けについて詳しく解説いたします。専門家の見解をお届けします。
昭和から平成にかけて日本語の生態を克明に記録した言語学者・金田一春彦は、言葉の音変化と大衆への定着過程について多くの示唆を残している。「出」の音である「シュツ」が促音化して「シュッ」となり、後ろに続く「セイ」と結合する際、発音の滑らかさや「誕生(たんじょう)」といった類語の連想から「しゅっしょう」へと移行していった経緯が指摘されている。
本来の漢音に基づけば「しゅっせい」が本筋とされながらも、言いにくさを回避し、耳心地の良さを求めた結果として「しゅっしょう」が慣用音として広く浸透した。誤用がやがて正統な言葉へと昇格していく日本語のダイナミズムを、「出生」という二文字は見事に体現している。