久米宏ニュースステーション降板の真実|最終回スピーチと伝説の軌跡
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迎えた2004年3月26日の最終回。テレビ史に刻まれるニュースステーション 最終回 スピーチは、湿っぽさを徹底的に排除した、極めて久米氏らしい洒脱な演出で彩られました。番組終盤、スタッフから手渡されたグラスに注がれていたのは、本物の生ビール。久米氏はカメラを真っ直ぐ見つめ、喉を鳴らして一口飲み干した後、次のような言葉を紡ぎました。
「普通の番組なら、ここで涙を流して『ありがとうございました』と言うところですが、私にはそれができません。18年半、本当に個人的な意見ばかりを申し上げました。これからは、テレビをご覧の皆さん一人ひとりが、自分の頭で考え、判断する時代です。私は今日で降板しますが、日本のテレビジャーナリズムが健全であることを祈りつつ、席を譲ります。本当にありがとうございました。さようなら」
この潔い幕引きの背景には、数々の数字が物語る圧倒的な自負がありました。ビデオリサーチの調べによると、番組の歴代記録であるニュースステーション 最高視聴率は、細川連立政権の動向やリレハンメル五輪の速報が重なった1994年2月21日に記録された34.8%。深夜前の時間帯としては驚異的な数字であり、現在に至るまで報道ワイドショーの到達点として語り継がれています。
その真骨頂が遺憾なく発揮されたのが、1988年10月19日の放送でした。後に球史に刻まれるニュースステーション プロ野球10.19伝説です。パ・リーグのペナントレース最終戦、近鉄バファローズ対ロッテオリオンズのダブルヘッダー第2試合。近鉄が連勝すれば大逆転優勝という極限のドラマを前に、久米氏は予定していた一般ニュースを大幅に削り、急遽川崎球場からの生中継へと切り替えました。関西地区での瞬間最高視聴率は46.8%に達し、「ニュース番組が国民的ドラマを同時体験させる場になる」ことを証明した瞬間でした。