三軒茶屋ロスタコスアスーレスの真価|予約難の理由とコースの全貌
三軒茶屋ロスタコスアスーレスの真価|予約難の理由とコースの全貌を徹底追究! 読者が気になる トピックの裏側を凝縮して配信します。
日本国内で「タコス」と聞くと、パリッとしたハードシェルに挽肉やレタス、チェダーチーズを挟んだテックスメックス(アメリカ風メキシコ料理)を思い浮かべる人が依然として多いのが実情です。しかし、三軒茶屋のロス タコス アスーレスが供するのは、それらとは完全に一線を画すメキシコの伝統と現代ガストロノミーの融合体です。
この店が世界中のグルマンを熱狂させる最大の原動力は、オーナーシェフ マルコ・ガルシア(Marco Garcia)氏の飽くなき探求心にあります。メキシコ北東部モンテレイ出身のマルコ氏は、祖国の豊かなトウモロコシ文化が近代化や遺伝子組み換え作物の普及によって失われつつある危機感から、現地オアハカ州などの小規模農家と直接提携。フェアトレードで仕入れた希少な青トウモロコシなどの在来種(クリオロ種)を日本へ直輸入しています。
厨房で行われるのは、数千年前のマヤ・アステカ文明から受け継がれる「ニシュタマリゼーション(アルカリ処理煮沸)」と呼ばれる緻密な工程です。トウモロコシを石灰水で煮て一晩寝かせ、外皮を取り除いてから石臼で挽き、オーダーごとに一枚ずつプレスして焼き上げます。熱々の状態で目の前に置かれる青トウモロコシ 自家製トルティーヤは、芳醇な大地とナッツのような香ばしさを放ち、口に含んだ瞬間にトウモロコシが「穀物」ではなく「鮮烈な主食」であることを雄弁に物語ります。
ミシュランガイド東京においてミシュラン ビブグルマン掲載を継続的に勝ち取っている背景には、日本の最高峰の魚介や四季折々の素材を、メキシコの伝統的なサルサやモーレと完璧に調和させる圧倒的なキュリナリー技術が存在しています。