ヘンリーの法則で躓く理由とは?気体溶解の計算と罠を完全攻略
ヘンリーの法則で躓く理由とは?気体溶解の計算と罠を完全攻略の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
ヘンリーの法則は万能の自然法則ではありません。厳密なヘンリーの法則の適用条件が存在し、入試ではこの「適用限界」そのものが正誤判定問題として頻出します。
法則が精度高く成り立つのは、水に対して溶解度が小さい気体(難溶性気体・微溶性気体)に限られます。具体的には、酸素($O_2$)、窒素($N_2$)、水素($H_2$)、一酸化炭素($CO$)、メタン($CH_4$)などが該当します。二酸化炭素($CO_2$)や硫化水素($H_2S$)は水とわずかに反応するものの、溶解度が比較的小さいため、通常の大学入試の計算範囲ではヘンリーの法則が適用されます。
一方で、ヘンリーの法則の例外となる気体の代表格が、アンモニア($NH_3$)や塩化水素($HCl$)です。これらの易溶性気体は水分子と極めて親和性が高く、水に溶けると以下のように電離・反応を起こします。
$$NH_3 + H_2O \rightleftharpoons NH_4^+ + OH^-$$
$$HCl \rightarrow H^+ + Cl^-$$
水と多量に化学反応を起こしてイオン化するため、気相の分圧と液相内の未反応分子との間に単純な物理平衡が成立しません。圧力を2倍にしても溶解量は2倍にはならず、ヘンリーの法則を適用した計算は完全に破綻します。