マンタとエイの違いとは?毒針や口の位置で見分ける決定打と生態の真実
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水族館の解説板や図鑑を見ていると、「マンタ」と「エイ」があたかも対立する別の魚類であるかのように捉えられがちです。しかし、分類学的な事実を整理すると、マンタは軟骨魚綱板鰓亜綱(なんこつぎょこう ばんさいあこう)に属しており、サメや他のエイとまったく同じ「骨格が軟骨でできた魚」のグループに属しています。
生物学上、エラ穴(鰓裂)が体の側面にあるものが「サメ」、体の下面(腹側)に開いているものが「エイ」と定義されます。この厳密な基準に照らすと、マンタのエラ穴もしっかりと腹側に並んでおり、正真正銘のエイの仲間です。エイのグループ(トビエイ目、ガンギエイ目、シビレエイ目、ノコギリエイ目など)のなかで、トビエイ目イトマキエイ科に属する大型種を通称として「マンタ」と呼んでいます。
世界中のダイバーや研究者の間で「マンタ」と呼ばれる種は、長年単一の種と考えられていましたが、2009年に海洋生物学者アンドレア・マーシャル博士らの詳細な形態・遺伝子解析によって、主に外洋を回遊する世界最大のエイ「オニイトマキエイ(Giant Oceanic Manta Ray)」と、沿岸やサンゴ礁周辺に定着する「ナンヨウマンタ(Reef Manta Ray)」の2種に明確に分割されました。国内の水族館で飼育展示されている個体の多くや、沖縄・八重山諸島周辺でダイバーに親しまれている個体の多くは、実はナンヨウマンタであることが明らかになっています。