プロが教える栗の茹で方!鬼皮渋皮がスルッと剥ける黄金比の真実

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買ってきた生栗やすす払いで収穫した栗を、そのまま鍋に放り込むのは調理上の大きな誤りです。美味しく安全に食べるためには、加熱前の「選別・虫出し」と「吸水による組織の柔軟化」が不可欠です。

生栗には高確率でクリシギゾウムシなどの幼虫が潜んでいる可能性があり、これらを完全に除去するステップが生栗の下処理と虫出しの手順です。まず、大きめのボウルにたっぷりの水(または40℃程度のぬるま湯)を張り、生栗を投入します。このとき、水面にプカプカと浮いてくる栗は中身が虫に食われて空洞化しているか、過度に乾燥して劣化している証拠であるため、迷わず取り除いて処分してください。底に沈んだ中身の詰まった栗だけを残し、そのまま半日(約8〜12時間)しっかり水に浸しておきます。この長時間の浸水によって、皮の内側に潜伏していた微小な虫が窒息して排除されると同時に、乾燥してカチカチになった鬼皮が水分を吸って劇的に柔らかくなります。

さらに近年、食農科学の現場で常識となりつつあるのが栗を劇的に甘くする浸水の真相です。樹上で熟したばかりの収穫直後の生栗は、主成分であるデンプンがまだ糖に変換されておらず、そのまま茹でても甘みが控えめです。栗は収穫後、0〜2℃前後のチルド環境(冷蔵庫のチルド室など)にポリ袋に入れて保管すると、凍結を防ぐための自己防衛本能(不凍液作用)として、内部のアミラーゼ酵素がデンプンをブドウ糖やショ糖へと急速に分解します。専門機関の糖度測定データでも、収穫直後にチルドで2〜3週間熟成させた栗は、収穫直後と比較して糖度が約2倍から3倍に跳ね上がることが実証されています。

なお、日本料理の伝統において栗のアク抜きと下茹での経緯を辿ると、渋皮煮や甘露煮のように渋皮を活かしたり色を保ったりする懐石調理では重曹を用いた度重なる下茹で(灰汁抜き)が行われてきました。しかし、シンプルな「茹で栗」として果肉をそのまま味わう家庭調理においては、半日の浸水と1%の塩茹でを行うだけで十分なアク抜き効果が得られ、タンニンのエグみを心地よい風味のアクセントへと昇華させることが可能です。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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