作家・深沢潮の現在と代表作の評判|ルーツと家族小説の真髄に迫る

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ネット空間で深沢潮をめぐり頻繁に検索されるのが、「本名」や「国籍・出自」にまつわる背景です。彼女自身が数々の自著やエッセイ、インタビューで明言している通り、両親が韓国出身の在日コリアン二世として生を受けました。のちに日本国籍を取得していますが、昭和から平成の日本社会において、自らの出自を隠すべきか開示すべきかという葛藤に少女時代から直面してきた経験を持ちます。

自叙伝的色合いの濃い長編『ひとかどの父へ』や様々な手記において、父親との激しい確執と相克が生々しく吐露されています。「何者かになれ」「立派な人間(ひとかどの人物)になれ」と娘に苛烈な期待と重圧を課し続けた父。その父が背負っていた在日一世としての塗炭の苦しみとプライド、そして家父長制的な支配に抗いながら自立を模索した彼女の半生は、単なる美談では片付けられない血縁の泥臭さを物語っています。

「家族だからこそ許せない、しかし家族だからこそ完全に断ち切ることもできない」という引き裂かれた心理。私生活では夫とともに築いた家庭生活を営みつつも、自身の原風景にある父親や親族との葛藤を創作の核として手放さない姿勢は、アイデンティティの揺らぎを抱える多くの読者の深い共感を呼び起こしています。

阿部 裕樹

阿部 裕樹

エンタメ専門ジャーナリスト

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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