女優・伊勢志摩の現在と本名|岩手出身なのに芸名が三重の真相
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伊勢志摩のキャリアを語る上で欠かせないのが、劇団「大人計画」での舞台活動と、劇団の同胞である宮藤官九郎作品への出演です。
1989年の劇団参加以来、松尾スズキ作・演出の過激かつ繊細な舞台で鍛え上げられた演技力は、小劇場界でカルト的な人気を誇りました。その後、1990年代後半から2000年代にかけて大人計画の作家陣がテレビドラマ界へ本格進出するに伴い、彼女の怪演も茶の間に浸透していきます。
社会現象となった『あまちゃん』の花巻珠子役
伊勢志摩の名を全国のお茶の間に決定づけた最大の契機が、2013年放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』(宮藤官九郎脚本)でした。
演じたのは、北三陸の海女クラブのメンバーであり、軽食喫茶「リアス」の常連でもある花巻珠子(はなまき たまこ)。作中で見せた伝説のシーンが、英ロックバンド「QUEEN」のフレディ・マーキュリーに扮したパフォーマンスでした。
「分かる奴だけ分かればいい」という決め台詞とともに披露されたそのシュールな姿は、朝の連続テレビ小説の枠組みを破壊し、SNS上でトレンドを席巻。岩手県盛岡市出身という自身のルーツとも重なる東北の舞台で、バイプレイヤーとしての実力を遺憾なく発揮しました。
宮藤官九郎×伊勢志摩が生み出す独特のグルーヴ
『マンハッタンラブストーリー』『ぼくの魔法使い』『タイガー&ドラゴン』、そして大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』に至るまで、宮藤作品における彼女は常に「普通の日常にいそうで絶対にいない変人」を見事に体現します。過剰な説明を排し、一言のセリフの抑揚と鋭い目線だけでシーンの空気を一変させる力は、長年の劇団生活で培われた呼吸の賜物です。