地球から太陽までの距離1.5億Km!光で8分、徒歩や新幹線なら何年かかる?

地球から太陽までの距離1.5億Km!光で8分、徒歩や新幹線なら何年かかる?の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

現代ではレーダー観測や探査機の電波追跡によってミリ秒単位で距離を割り出すことができますが、望遠鏡すら満足になかった時代、人類はいかにしてこの1億5000万kmを導き出したのでしょうか。

紀元前3世紀、古代ギリシャの天文学者アリスタルコスは、月がちょうど半月(上弦・下弦)になる瞬間、地球・月・太陽が直角三角形を形成することに着目しました。地球から見た月と太陽の角度を測定することで幾何学的に距離の比率を求めようとしたのです。当時の観測精度では角度の微小なズレを捉えきれず、太陽までの距離を地球〜月間の約20倍(実際は約390倍)と大きく見積もる結果となりましたが、「幾何学を用いて宇宙を測る」という画期的な発想の礎を築きました。

決定的なブレイクスルーが訪れたのは17世紀です。1672年、フランスの天文学者ジャン・ドミニク・カッシーニとジャン・リシェは、地球上の遠く離れた2点(パリと南米仏領ギアナのカイエンヌ)から同時に火星を観測し、視差(地球の異なる場所から見たときの天体の見かけの位置のズレ)を測定することに成功しました。この「火星の視差」から地球と火星の距離を割り出し、ケプラーの第三法則を適用して逆算することで、約1億4000万kmという、現代の真値に迫る極めて精度の高い数値を歴史上初めて導き出したのです。

続く18世紀から19世紀にかけては、稀少な天文現象である「金星の日面通過(太陽面通過)」を利用した国際的な観測プロジェクトが展開されました。イギリスのエドモンド・ハレーが提唱したこの手法は、世界各地に観測隊を派遣して金星が太陽面を通過する時刻の微小な差を計測するもので、1761年や1769年の観測にはキャプテン・クックら名だたる探検家・天文学者が命懸けの航海に乗り出しました。

幾多の危険と過酷な遠征を経て積み上げられたデータが、現代の天文学の強固な土台となっています。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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