斉藤由貴『卒業』歌詞の意味とは?名フレーズに宿る少女のリアルな葛藤

斉藤由貴『卒業』歌詞の意味とは?名フレーズに宿る少女のリアルな葛藤についての真相をお届けします。

日本のポピュラー音楽史において、1985年の春ほど「卒業」というテーマが激突した季節はありません。斉藤由貴の『卒業』がリリースされた1985年2月21日を挟むように、複数のトップアーティストが同名異曲を相次いで世に送り出しました。なかでも最大のライバルとして比較されたのが、前週の2月14日に発売された菊池桃子の『卒業-GRADUATION-』です。

項目斉藤由貴『卒業』菊池桃子『卒業-GRADUATION-』尾崎豊『卒業』発売日・作家陣1985年2月21日
作詞:松本隆
作曲:筒美京平1985年2月14日
作詞:秋元康
作曲:林哲司1985年1月21日
作詞・作曲:尾崎豊
編曲:西本明描かれた視点・世界観冷めた観察眼、集団への同調拒否、密かな失恋を秘めた自立的リアリズム王道の学園情緒、素直な涙、甘く清純な追憶と旅立ちのセンチメンタリズム管理教育への激しい反抗、夜の校舎、支配からの脱却という思春期の闘争オリコン最高位・推移最高6位(約35万枚)
デビュー作としては異例のロングセラー最高1位(約40万枚)
自身初のオリコン首位を獲得最高20位
後年の若者文化・ロック史に絶大な影響編集部の批評的評価アイドル性を超えた純文学的傑作。心理的陰影の深さは同時代随一80年代シティポップの意匠を纏った完璧な正統派アイドルソング教育システムへの抗議歌であり、少年の実存的危機を描いた記念碑

チャートの初動成績においては、すでにトップアイドルとしての地位を築いていた菊池桃子に軍配が上がりました。秋元康が作詞を手がけた菊池版の『卒業』は、「4月になるとここへ来て 卒業写真めくります」という、誰もが素直に涙できる美しいノスタルジーを完璧なアイドルポップスとしてパッケージ化したものでした。

それに対し、斉藤由貴の『卒業』は後味の甘さを一切排除していました。チャート順位こそ最高6位にとどまったものの、発売から数か月、数年、さらには数十年が経過しても色褪せない強靭な生命力を獲得したのは、安易な感傷に逃げず「少女の割り切れない孤独」を誠実に描いたからに他なりません。

松本 悠斗

松本 悠斗

サステナビリティ研究家

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。

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