宝くじが非課税の本当の理由|贈与税の落とし穴と税務署対策を解剖
今注目を集めている 宝くじが非課税の本当の理由|贈与税の落とし穴と税務署対策を解剖について、多角的な視点を整理して公開しています。
宝くじの受取金に税金がかからない最大の法的根拠は、昭和23年に制定された「当せん金付証票法」第13条にあります。同条文には「当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない」と明記されており、これに連動して地方税法に基づき住民税と所得税の免除が自動的に適用されます。どれほど巨額の当せんを果たしても、翌年の住民税や国民健康保険料が跳ね上がる事態は法的に起こり得ません。
では、なぜ国家はこれほど破格の優遇措置を設けているのでしょうか。総務省および受託銀行であるみずほ銀行の公表データを紐解くと、宝くじ非課税の理由における冷徹な経済ロジックが浮かび上がります。宝くじの売上金のうち、当せん者に還元される払戻金は約46〜47%にとどまります。印刷経費や売り場の運営費などを除いた売上全体の約37〜40%が「収益金」として発売元の全国都道府県および20指定都市へ全額納付されているのです。
この収益金は、地方自治体の道路整備、公営住宅の建設、防災・福祉施設の改修など、本来なら地方税によって賄われるべき公共事業へ直接充当されます。つまり、購入者はくじ券を買った瞬間に、すでに約4割もの重税を自治体に「事前納税」している構造となっています。国税庁や自治体から見れば、購入時点ですでに巨額の財政収入を確保しているため、後から当せん金に所得税を課すことは二重課税に他ならず、制度の存続自体を危うくしかねません。「購入時点で天引きされているからこそ、当せん時は無税」というのが、この制度を支える決定的な裏側です。