伝説の10.8決戦とは?巨人中日同率激闘と視聴率48%の裏側
伝説の10.8決戦とは?巨人中日同率激闘と視聴率48%の裏側の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
なぜ巨人はアウェーの重圧を跳ね返し、勝利をもぎ取ることができたのでしょうか。10.8決戦の勝敗を分けた理由は、大きく分けて二つの戦術的要因と指揮官の覚悟に集約されます。
1. 「先発三本柱リレー」という非情なスクランブル継投
長嶋茂雄監督が戦前に決断していたプランは、当時シーズン10勝以上を挙げていたエース格、槙原寛己・斎藤雅樹・桑田真澄の「先発三本柱」を1試合に注ぎ込む前代未聞のリレーでした。
先発の槙原が2回にコールズの一発を浴びるなどピリッとしないと見るや、長嶋監督は3回からシーズン最多勝の斎藤雅樹を投入。さらに斎藤が5回に走塁で右内転筋を痛めると、間髪を入れずに第3の矢である桑田真澄をマウンドへ送り込みました。当時のプロ野球において、エース投手をリリーフに回す起用は「投手のプライドを傷つける」と敬遠されがちでしたが、長嶋監督は「全員で勝つ」という強いメッセージとともにこれを断行したのです。
2. エース今中慎二の限界と投手層の格差
一方の中日ベンチは苦境に立たされていました。大黒柱の山本昌が左肩の故障で登板不能となっており、左のエース今中慎二に全てを託すしかありませんでした。しかし、今中は中3日での強行登板であり、連投の疲労から直球のキレ、伝家の宝刀であるスローカーブの制球ともに精彩を欠いていました。4回を投げて5失点。代わるリリーフ陣も巨人の勢いを完全に止めることができず、中日の台所事情の厳しさが試合の趨勢を決定づけました。