甘糟りり子の現在と独身の真相|鎌倉の家と母・幸子から継いだ暮らし

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甘糟りり子さんを語るうえで欠かせない最重要人物が、2017年に83歳で旅立った実母・甘糟幸子(あまかす・さちこ)さんです。幸子さんは元女優であり、後に野草や自然の恵みを取り入れた料理研究家・エッセイストとして『野の料理』などの名著を残した、鎌倉きっての文化人でした。

幼少期から母の圧倒的なカリスマ性と美意識に圧倒されて育った甘糟りり子さんは、思春期以降、強烈な母の存在に息苦しさを覚え、反発するようにバブル期の東京へと飛び出していきました。しかし、母の老いと認知症の発症、そして在宅介護という現実に直面したことで、ふたりの関係は新たな局面を迎えます。

その壮絶かつ慈愛に満ちた日々を記録した傑作エッセイが、『鎌倉の家』です。同書では、美しく完璧だった母が徐々に記憶を失っていく切なさ、介護生活のなかで噴出する過去の愛憎、そして最期の瞬間を見送ったあとに残された実家との向き合い方が、一切の美談化を排して描かれています。母の手料理のレシピを再現しながら、少しずつ母をひとりの不完全な女性として許し、受け入れていくプロセスは、多くの読者の涙を誘いました。

橋本 菜々子

橋本 菜々子

トレンドリサーチャー

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。

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