中国人と韓国人の対立はなぜ激化したのか?済州島と不動産から迫る真相
中国人と韓国人の対立はなぜ激化したのか?済州島と不動産から迫る真相とは一体何なのか? 背景や要点を整理してお届けします。
韓国法務部(出入国・外国人政策本部)の統計によると、韓国国内に滞在する外国人の中で最大の割合を占めているのが中国籍者であり、その規模は約85万人前後に達します。しかし、在韓中国人の現状と人口を正確に読み解くには、彼らを単一の集団として捉えるのではなく、歴史的・民族的背景から3つのグループに分類する必要があります。
第1の層は、19世紀末から仁川やソウルに定住してきた「歴史的華僑(華人)」です。開港期に山東省などから海路で渡ってきた彼らは、長らく中華民国籍を保持し、韓国社会の厳しい外国人規制を耐え抜いて中華料理文化などを根付かせた伝統的コミュニティです。第2の層は、中国吉林省の延辺朝鮮族自治州などをルーツに持ち、中国籍でありながら朝鮮民族としての言語・血統を有する「在韓朝鮮族」です。韓国政府が定めた在外同胞(F-4)ビザや訪問就労ビザの恩恵を受け、在韓中国人の過半数以上を占める一大勢力となっています。そして第3の層が、1992年の中韓国交正常化以降に留学やビジネスで渡航した「漢民族」です。
現地で生活する人々の実感とマクロ統計の間には興味深い乖離が存在します。韓国在住の日本人ライターであるケン氏が自身のレポートで「街を歩いていても、意外と中国人の姿を見かけないと感じることがある」と指摘しているように、ソウル中心部のオフィス街や高級住宅街では、日常的に中国人の存在を意識する機会は限定的です。これは、在韓中国人の多くがソウル市永登浦区の大林洞(テリムドン)や九老区の加里峰洞(カリボンドン)、京畿道安山市といった特定の産業・居住拠点にコミュニティを形成し、生活圏が明確に分節化されている実態を如実に示しています。