5月の誕生石エメラルドと翡翠の違いは?2種類ある理由と価値を徹底比較
5月の誕生石エメラルドと翡翠の違いは?2種類ある理由と価値を徹底比較の疑問点について、分かりやすい解説を詳しくお届けします。
「なぜ5月には性格の異なる2つの宝石が割り当てられているのか」という疑問を持つ方は少なくありません。その理由は、誕生石の歴史的ルーツと日本独自の文化事情にあります。
近代的な誕生石のリストは、1912年に米国宝石商組合(現ジュエラーズ・オブ・アメリカ)によって商業的な統一を目的に制定されました。この原案において、5月の誕生石として選ばれていたのは世界四大宝石の1つである「エメラルド」のみでした。旧約聖書の「出エジプト記」に登場する祭司の胸当てに嵌め込まれた12の宝石や、新約聖書のヨハネの黙示録に由来する西洋の伝統が基盤となっていたためです。
転機が訪れたのは1958年(昭和33年)のことです。日本の「全国宝石卸商協同組合」が日本国内向けの誕生石を制定する際、東洋で古くから最高級の宝飾・祭祀具として尊ばれてきた「翡翠(ヒスイ)」が5月の誕生石として公式に追加されました。新潟県糸魚川市をはじめとする国内産地を持ち、縄文時代から日本人の精神文化に深く根付いていた翡翠を取り入れることで、日本の風土と消費者の美意識に寄り添う形が整えられたのです。
さらに2026年12月に行われた63年ぶりの誕生石改定(2026年最新誕生石一覧でも適用中)においても、5月は「エメラルド」と「翡翠」の2大体制が強固に維持されています。東洋と西洋それぞれの最高峰の緑色が共存している点こそが、5月生まれに与えられた唯一無二の特権といえます。