『沈まぬ太陽』モデルの実話とJalの闇!恩地元と御巣鷹山事故の真相
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『沈まぬ太陽』の主人公・恩地元(おんち はじめ)には、明確な実在モデルが存在します。元日本航空社員で労働組合委員長を務めた小倉寛太郎(おぐら かんたろう)氏です。東京大学法学部を卒業後、1953年に日本航空へ入社した小倉氏は、卓越したリーダーシップを買われて労働組合のトップに就任。当時、安全軽視の傾向にあった経営陣に対し、パイロットの労働環境改善や待遇見直しを求めて激しいストライキを主導しました。
しかし、時の首相をも巻き込んだ労使交渉で勝ち取った約束は、会社側の裏切りによって反故にされます。報復人事として命じられたのが、カラチ(パキスタン)、テヘラン(イラン)、ナイロビ(ケニア)へと続く、およそ10年間に及ぶ海外の僻地勤務でした。当時、海外勤務は通常2〜3年で交代するのが通例であり、事実上の「社内追放」だったことは明白です。
小説『アフリカ篇』で描かれた、恩地がアフリカのサバンナで孤独に耐えながら狩猟を行い、夕陽を見つめる印象的なシーンは、小倉氏本人の実生活そのものでした。小倉氏は不遇な境遇にありながらも腐ることなく、現地の自然や文化を深く愛し、後にアフリカ研究者・写真家としても高い評価を得るほどの知見を身につけていきました。