ウータン・クランの凄さとは?伝説の歴史・現在と幻の名盤を徹底解説
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ウータン・クランの金字塔として語り継がれるのが、1993年11月にリリースされたデビューアルバム『燃えよウータン(原題:Enter the Wu-Tang (36 Chambers))』です。当時全盛を誇っていた西海岸の洗練されたGファンクに対し、歪んだピアノループ、乾いたドラムスネア、カンフー映画の効果音を切り刻んだRZAのローファイなプロダクションは、東海岸ハードコアヒップホップのルネサンスを巻き起こしました。
音楽批評誌ローリング・ストーンやピッチフォークをはじめとする主要メディアは、本作を「ヒップホップ史上最も偉大なアルバムの1枚」として満場一致で位置づけています。これからウータン・クランの音源に触れる読者がまず聴くべき代表曲には、以下のようなマスターピースが挙げられます。
『C.R.E.A.M.』は、貧困層の厳しい現実と金銭への執着を哀愁漂うピアノサンプリングに乗せて歌った不朽の名作であり、「Cash Rules Everything Around Me(金が俺の周りのすべてを支配する)」というフレーズはストリートカルチャーのスラングとして世界中に定着しました。
デビューシングルである『Protect Ya Neck』は、メンバーが息つく暇もなくマイクリレーを繋ぐ圧倒的なスキルが炸裂する1曲であり、彼らの原点たる攻撃性を体現しています。さらに、1997年の2枚組大作『Wu-Tang Forever』に収録された『Triumph』は、ドラム主体の壮大なビートの上でコーラスを一切挟まず、9人のMC全員が超絶技巧のバースをスピットする圧巻の構成でシーンを驚愕させました。