野球ボールが飛ぶ決定的な理由|反発係数と縫い目の科学を徹底解剖

野球ボールが飛ぶ決定的な理由|反発係数と縫い目の科学を徹底解剖に関する深掘り記事を速報でお届けします。関心のある方は必見です。

飛ぶボールと飛ばないボールの違いを決定づけるもうひとつの主役が、野球ボールの表面を走る全108本の縫い目(シーム)です。野球ボールの縫い目と空気抵抗には、流体力学における極めて特殊な現象が関わっています。

ツルツルとした完全な球体の場合、高速で前進するとボール後方に大きな空気の渦(剥離域)が発生し、後ろ向きに引っ張る強力な空気抵抗(ドラッグ)が生じます。しかし、ボール表面に適度な縫い目の凹凸が存在すると、表面付近の空気の流れが適度に乱れる「乱流境界層」が形成されます。この乱流が気流の剥離をボール後方へと遅らせるため、後方の渦が小さくなり、結果として全体の空気抵抗が劇的に小さくなるのです(ゴルフボールのディンプルと同様の原理)。

MLBの調査データが示した通り、手縫い作業の張力によって縫い目の高さがわずか0.1ミリ低くなるだけで、打球の空気抵抗係数(Cd値)は低下します。空気抵抗が下がったボールは、打球初速を保ったまま滞空時間を伸ばすため、飛距離が数メートル伸びてフェンスオーバーへ直結します。投手の変化球のキレ(変化量)には高い縫い目が有利に働く一方で、打球の飛距離という観点では「低い縫い目」が圧倒的に有利に作用するという力学的ジレンマが存在します。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。

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