喉のイガイガと咳が止まらない原因は?熱なし・長引く時の治し方
喉のイガイガと咳が止まらない原因は?熱なし・長引く時の治し方について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。
風邪の初期症状である発熱や全身倦怠感、激しい咽頭痛が消失したにもかかわらず、喉のイガイガと咳だけが長引く現象には、明確な医学的理由が存在します。臨床現場において「熱はないが咳が止まらない」と訴える患者の多くは、以下の4つのいずれかに該当します。
第1に挙げられるのが咳喘息(せきぜんそく)です。気管支喘息の前段階とも位置づけられる病態で、喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューという音)や呼吸困難を伴わない「乾いた咳(空咳)」が数週間から数カ月にわたって続きます。風邪をひいた後の気道粘膜は極めて敏感になっており、冷気、タバコの煙、会話、運動、エアコンの風といったわずかな刺激に過剰反応して咳受容体が興奮します。放置すると約30%が本格的な気管支喘息へ移行すると報告されており、早期の確定診断が極めて重要です。
第2の原因はアレルギー性咳嗽(がいそう)および後鼻漏(こうびろう)です。花粉、ハウスダスト、カビ、ペットのフケなどが抗原となり、咽頭や喉頭粘膜にアレルギー性炎症を引き起こします。また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎によって生じた粘り気のある鼻汁が喉の奥へ垂れ落ちる「後鼻漏」は、喉のイガイガ感や異物感、痰の絡むような咳を誘発する代表的な要因です。
第3に、消化器疾患である逆流性食道炎(胃食道逆流症:GERD)が挙げられます。胃酸や胃内容物が食道へ逆流し、食道下部の迷走神経を刺激することで反射性の咳が起きるほか、逆流した微量の胃酸が喉頭・咽頭粘膜を直接刺激して慢性的な喉の違和感や空咳をもたらします。「朝起きたときに喉が焼けるように痛い」「胸焼けや酸っぱい液が上がってくる感覚がある」という方に多く見られます。
第4は、風邪のウイルス感染後に気道の過敏状態だけが残存する感染後咳嗽です。感染自体はすでに終息しているものの、剥離した気道上皮が完全に修復されるまでの間(通常3〜8週間程度)、喉のムズムズ感と発作的な咳が持続します。