『Santa Fe』秘話:篠山紀信と宮沢りえが起こした奇跡の全貌
『Santa Fe』秘話:篠山紀信と宮沢りえが起こした奇跡の全貌の概要と注目ポイントをわかりやすく整理しました。
1991年11月13日、全国の書店に行列ができた。朝日出版社から刊行された写真集『Santa Fe』は、事前の大々的な宣伝をほとんど行わなかったにもかかわらず、瞬く間に店頭から姿を消した。累計発行部数は150万部を突破。当時の出版業界において、ハードカバーのミリオンセラー、しかもヌード写真集というジャンルでの達成は前代未聞の怪挙であった。
それまでの「ヌード写真集」といえば、どこか陰を帯びた男性向けの娯楽品という固定観念が強かった。しかし、篠山紀信が撮影した本作は、その既成概念を徹底的に解体してみせた。アメリカ・ニューメキシコ州の乾いた大地と古びた木造建築を背景に、ありのままの光と影の中で捉えられた彼女の姿は、あまりにも眩しく、清廉だった。同世代の女性たちがこぞって書店へ足を運び、部屋の棚に飾るアート写真集として買い求めた現象は、日本の人物写真史における巨大なパラダイムシフトそのものであった。