「無能」はパワハラ?職場の人格否定発言の違法ラインと証拠の残し方
「無能」はパワハラ?職場の人格否定発言の違法ラインと証拠の残し方の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
上司からの厳しい言葉を受けた際、「自分が仕事ができないから怒られて当然なのではないか」と思い詰めてしまう人は後を絶ちません。しかし、正当な注意と違法なハラスメントには明確な法的一線が存在します。
厚生労働省が定める指針において、パワーハラスメントは「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」という3つの要素をすべて満たすものと定義されています。人格を攻撃する言葉は、このうち「業務上必要かつ相当な範囲」を著しく逸脱する行為です。
業務指導と人格否定の違いを見極める最大の軸は、「発言の対象が『行動・業務の改善』に向いているか、それとも『人間性・存在そのものの否定』に向いているか」という点にあります。
たとえば「提出書類のデータに誤りがあるから、手順書を見直して再提出してほしい」というのは正当な業務指導です。一方で、「こんなミスをするなんて頭がおかしい」「育ちが悪いんじゃないか」といった言葉は、ミスの修正とは無関係に相手の精神を攻撃することだけを目的としており、適法な指導の範囲を完全に超えています。