死線を超える極限修行:千日回峰行の満行者が明かす命がけの裏側

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比叡山と並び、千日回峰行のもう一つの聖地として知られるのが、奈良県の吉野・大峯山だ。修験道の根本道場である金峯山寺を拠点とする「大峯千日回峰行」は、標高差約1300メートル、往復48キロの険しい山道を毎日往復する。比叡山が平坦な巡礼路を含むのに対し、大峯の行程は岩場や断崖絶壁が続く極めて険峻な修験の道である。

この大峯千日回峰行を1300年の歴史上で史上二人目として満行したのが、塩沼亮潤大阿闍梨だ。塩沼師は40度を超える高熱にうなされながらも山を登り続け、急性胃腸炎や怪我に見舞われながらも一歩も退くことなく山頂を目指した。仏教・修験道の教えが示す「自己の限界を突き破る」行為は、精神論を超えた肉体と自然の熾烈な対話そのものである。生と死の境界線で削ぎ落とされた自我の先に、万物への深い慈悲と感謝が芽生えるのだという。

鈴木 陽菜

鈴木 陽菜

テックライター兼ウェブディレクター

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