福澤諭吉『脱亜論』の真意とは?激変する国際情勢と隠された意図
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福澤の思想を追う上で避けて通れないのが、初期の代表作『学問のすゝめ』に見られる啓蒙主義との落差である。かつては個人の尊厳と万国の平等を説いた福澤が、なぜこれほどまでに冷酷とも思える言説へと傾斜したのか。その決定的な引き金となったのが、1884年に朝鮮半島で起きた甲申政変であった。
福澤は朝鮮の近代化を目指す開化派のリーダー、金玉均らを深く支援していた。彼らの改革運動に日本の未来とアジアの覚醒を重ね合わせていたのだ。しかし政変は清国の介入によって惨痛な失敗に終わり、金玉均らは亡命を余儀なくされる。期待が大きかった分、失意と絶望は深く、東アジア全体の自発的改革に限界を感じた福澤は、近代化の波に乗り遅れる旧体制への苛立ちを募らせていった。