若いのに総入れ歯になる原因とは?20代・30代の実態と最新治療法
若いのに総入れ歯になる原因とは?20代・30代の実態と最新治療法の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。
厚生労働省が実施している「歯科疾患実態調査」のデータを紐解くと、20代で歯をすべて失う完全無歯顎者の割合は0.1%未満、30代でも0.1〜0.2%程度と、統計上は極めて稀な数値として記録されています。しかし、この数字の背景には「恥ずかしさから受診を拒み、統計に現れていない潜在層」が多数存在している実態があります。
若年層がすべての歯を失うに至る決定的な原因には、大きく分けて3つの要因が挙げられます。
第一に、一般的な歯周病とは異なり10代から30代前半にかけて急速に骨を溶かしていく「若年性(侵襲性)歯周病」です。強い遺伝的要素や特定の歯周病菌(アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンスなど)の感染によって引き起こされ、自覚症状が乏しいまま短期間で歯槽骨が破壊され、気づいたときには複数本の歯がグラグラになって抜歯を余儀なくされます。
第二に、過去の治療での激痛や嘔吐反射がトラウマとなった「歯科恐怖症」による虫歯の放置です。痛みを感じながらも歯医者に行くことができず、市販の鎮痛薬で耐え忍ぶうちに歯冠が崩壊し、根だけが残る「残根状態」になって口腔内全体がボロボロになるパターンです。
第三に、摂食障害(過食嘔吐による胃酸での歯の溶解=酸蝕症)、家庭環境に起因する育児期の歯科放置(ネグレクト)、うつ病によるセルフネグレクト(歯磨きができない状態)といった心理的・環境的要因が重なるケースです。「だらしないから」という個人の責任論だけでは片付けられない、根深い社会・精神的背景が存在しています。