手塚治虫の「おっぱい」への執着と隠し引き出しの艶やかな真実
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手塚治虫は少年誌の黄金期を築いた後、1970年前後の「劇画ブーム」到来に伴い、大人向け漫画の領域で自らの手塚治虫のエロティシズムを極限まで尖らせていきました。
白土三平やさいとう・たかをらが描く硬派な劇画に強い嫉妬とライバル心を抱いた手塚は、「自分にしか描けない狂気とエロス」を模索します。その結実が、濃密な血縁のタブーを描いた『奇子(あやこ)』、芸術家の退廃とミューズの肉体を赤裸々に綴った『ばるぼら』、そして性の起源と愛の輪廻を問う『アポロの歌』でした。
作品名(連載年)主な性・胸の描写と特徴当時の社会的基準・扱い編集部の見解・芸術的評価『アポロの歌』
(1970年)母性愛と性への嫌悪を抱く主人公が、様々な時代で愛と交わりを追体験する。生殖器や胸の露出を神話的モチーフとして描写。少年誌掲載(週刊少年キング)。過激な性描写が社会問題化し自治体から有害図書指定の危機に。手塚治虫の性教育思想が最もストレートに表現された金字塔。生殖と愛の本質を問う哲学書。『ばるぼら』
(1973〜1974年)フーテン女「ばるぼら」の無防備な裸体と乳房の丸み。耽美で倒錯的な性愛シーンが連続する。青年誌掲載(ビッグコミック)。成人向けフィクションとして高い評価を獲得。手塚治虫 ばるぼら エロの頂点。クリエイターの創作意欲と性欲の直結を自己暴露的に描いた名作。『奇子』
(1972〜1973年)土蔵に20年間幽閉され、純真無垢なまま肉体だけが成熟した奇子のグラマラスな肉体と近親相姦の悲劇。青年誌掲載(ビッグコミック)。昭和の闇と家制度の崩壊を描き、読書界を震撼させた。手塚治虫 奇子に見られるエロスは、権力の犠牲となった生命の切なさと凄惨なエナジーの象徴。