『風の谷のナウシカ』名曲の真相|安田成美の主題歌が流れない理由と秘話

『風の谷のナウシカ』名曲の真相|安田成美の主題歌が流れない理由と秘話の総合ガイドを解説します。最新トレンドが詰まっています。

本作の音楽を語る上で欠かせないのが、当時まだ映画音楽の世界で無名に近かった久石譲の抜擢です。ミニマル・ミュージック(音のパターンを反復させながら徐々に変化させていく現代音楽手法)の気鋭作曲家として活動していた久石譲を見出したのは、プロデューサーの高畑勲でした。

高畑氏は、既存のオーケストラによるわかりやすいハリウッド的劇伴とは一線を画す、哲学的で先鋭的な音響空間を求めていました。久石氏が提出したイメージアルバムのデモテープを聴いた宮崎・高畑の両名は、その前衛的なシンセサイザーの音色と哀愁漂うメロディラインに圧倒され、メインコンポーザーへの抜擢を決断したとされています。

特にラストを飾る『鳥の人』は、ナウシカという作品の精神性を音楽的に完璧に結実させた名曲です。この楽曲では、反復されるリズミカルなピアノのオスティナート(執拗反復)の上に、壮大でヒロイックなストリングスの主旋律が重なります。

音楽理論的に見ると、暗雲立ち込める短調の響きから、救済と希望を示す長調へと転調していく構成が見事であり、観客に強烈なカタルシスをもたらします。民族音楽の土着的な響きとクラシックの構築美、そしてシンセサイザーによる現代性が三位一体となったこのサウンドこそが、のちに続く『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』へと連なる「ジブリ×久石譲サウンド」の揺るぎない原点となったのです。

山本 拓海

山本 拓海

ヘルス&ウェルネスアドバイザー

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。

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