セル画とは?なぜ消えたのか仕組みとオークション最新高額相場を徹底解説
セル画とは?なぜ消えたのか仕組みとオークション最新高額相場を徹底解説についての疑問解決ガイドをお届けします。
セル画とは、アニメーション制作においてキャラクターや動く物体を描くために使用された透明なプラスチックシート(主にセルロース・アセテート製)のことです。語源は初期に使われていた「セルロイド」に由来しますが、可燃性や経年変化の観点から、後に難燃性のアセテートフィルムが業界標準となりました。
アニメ制作の現場では、背景画(背景美術)の上に、キャラクターを描いた透明なセル画を何層にも重ねて専用カメラで1コマ(1/24秒)ずつ撮影していました。透明シートを用いることで、静止した緻密な背景を何枚も描き直すことなく、動くキャラクター部分だけを効率的に差し替えることが可能になったのです。
混同されやすい制作素材として「原画」と「セル画」の違いが挙げられます。制作工程における役割と材質は明確に区別されます。
- レイアウト・原画・動画(紙素材):アニメーター(原画マン・動画マン)が鉛筆や色鉛筆を用いて紙に描く設計図および動きの連続線画。
- セル画(フィルム素材):紙に描かれた「動画」の線を透明シートに転写し、裏面から絵の具で彩色した最終的な撮影用素材。
伝統的なセル画の作り方は、極めて職人的な手作業の連続でした。紙に描かれた動画の鉛筆線をトレスマシンと呼ばれる赤外線転写機(カーボンを熱でシートに焼き付ける機械)にかけるか、熟練のトレス職人が表側からインクで手作業トレース(ハンドトレス)します。その後、色彩設計に指定されたセル絵の具(水性ビニル系絵の具)を用い、筆やペインティングナイフでシートの「裏面」から絵の具を均一に塗り重ねていく工程(仕上げ・ペイント)を経て完成します。裏から塗ることで、表から見たときに筆ムラのない滑らかで均一なアニメ特有の塗面が仕上がる仕組みでした。